大人でも学ぶところ多し、一条ゆかりの「プライド」

一条ゆかり先生の仕事観がふんだんに盛り込まれた「プライド」という漫画は、オペラ歌手を目指す2人の音大生の競争と成長を軸にしたストーリーです。この漫画は大人になってから出会ったのですが、これは子供のころに読んでいたらいまいち理解できないような完全に大人向けの漫画だと思われます。プロになるとはどういうことか、プロとしての自意識・プライド、プロの世界での競争とはどういう意味なのか、プロであり続けるにはどうしなければいけないのか、そういったことが所々に出てきます。これが音楽の世界だけの話ではなく、どの仕事を選んだとしても必要と思える共通のプロ意識がどういうものなのかが、登場人物たちがぶち当たるシチュエーションの中で描かれるのです。今風に言えば毒親持ちで貧乏育ちの貪欲な萌と、お嬢様育ちだけど急にお金のない生活に放り込まれた史緒、この対照的な2人に加えてバランスの良い蘭が調整役のように存在し、3人でプロの世界に入って突き進んでゆく姿から学び取れることがたくさんあります。親に振り回されながらたくましく育ってきたゆえにガッツはあるけども、基本的に愛情に飢えていて自信がないために人と比べることでしか自分の幸せがわからない萌は、プライドや人情など捨ててでも人より上に行こうとする向上心が強い。それに対して、恵まれすぎていたため人に興味がなく無意識に傲慢な振る舞いをしてきたけども、急にお金の不安と向き合わなければならなくなり自分の弱さを知る中で、それでもプライドは守りつつ自分を高めていく努力の中で人との関わりも大事だと学ぶ史緒。自分の醜さを直視することが怖くて史緒に当たり散らすことしかできない萌が最終的に史緒と和解して素直になれるシーンは、本当の幸せってこういうことなのだな、と思えます。たくましく生き抜いてきた萌はプロ意識は強かったけれども、人と比較しなければ幸せを感じられなかった、それが自分自身の幸せというものを見つけていくまでの周りからの助言の数々は、私たちがガツガツと目の前のことに必死になっているときなどに普通にハッとさせられます。史緒は反対に自分に誇りを持った生き方をしてこれたけれども、お嬢様育ちゆえの甘さに対して容赦なく浴びせられる言葉がたくさん登場します。これが本当に「プロとは?」に対する普遍的な答えなのです。もちろん一条ゆかり先生ご自身の仕事観が色濃く反映されているとは思いますが、プロを名乗るにはこういった覚悟が必要なのだ、ということを明文化したらこうなるだろうと思える言葉ばかりなのです。プロ意識とは何か、と思ったときに読み返すべきバイブルだと思っています。
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